住所・氏名変更登記の義務化

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住所・氏名変更登記の義務化

今まで、所有者の住所が変更した場合や氏名が変更した場合についての登記(以下「住所・氏名変更登記」という)の申請は任意でした。(法人の商号変更や本店移転による場合も同様)

実際、転居を繰り返す人が、そのつど「住所・氏名変更登記」をするのは、負担が大きい。
手間もかかるし、登録免許税も取られます。

だから、売買や抵当権の設定など、「住所・氏名変更登記」が必要になるまでは放置されてました。

しかし、不動産所有者の住所や名前が変更されないまま残っていると、所有者がどこに住んでいるのか分からず、所有者に連絡を取ることもできなくなります。
そうすると、所有者不明土地が発生してしまうおそれがあります。

すでに、大量の所有者不明土地がありますので、これ以上、それを増やすわけにはいあkない。

そこで、
令和3年4月の不動産登記法改正のより、住所・氏名変更登記が義務化されることになりました。
施行日は「公布後5年以内」となっているために、令和8年4月までに施行されます。

改正内容は以下のとおりです。

  1. 所有権の登記名義人に対し、住所・氏名等の変更日から2年以内に変更登記の申請をすることが義務化(不動産登記法76条の5)
  2. 正当な理由がないのに住所等変更登記申請義務を怠ったときは、5万円以下の過料。(不動産登記法164条2項)

 ということになりました。
「正当な理由」の具体的な類型については、後ほど明確化される予定です。

<参考条文>

第76条の5(所有権の登記名義人の氏名等の変更の登記の申請)

所有権の登記名義人の氏名若しくは名称又は住所について変更があったときは、当該所有権の登記名義人は、その変更があった日から二年以内に、氏名若しくは名称又は住所についての変更の登記を申請しなければならない。

第164条2項(過料)

2 第76条の5の規定による申請をすべき義務がある者が正当な理由がないのにその申請を怠ったときは、五万円以下の過料に処する。

住所等変更登記の義務化にあわせて、手続の簡素化・合理化を図る観点から、登記官が他の公的機関から取得した情報に基づき、職権的に住所等の変更登記をする制度も導入されました。

第76条の6(職権による氏名等の変更の登記)

登記官は、所有権の登記名義人の氏名若しくは名称又は住所について変更があったと認めるべき場合として法務省令で定める場合には、法務省令で定めるところにより、職権で、氏名若しくは名称又は住所についての変更の登記をすることができる。ただし、当該所有権の登記名義人が自然人であるときは、その申出があるときに限る。


以上です。

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